個人で事業をはじめた時の税務手続き

2024年04月17日

事業を始めた時には会社を設立する場合でなければ個人事業主として開業届の提出が必要です。

 個人事業の開業届は事業を始めてから1ヶ月以内に税務署に提出することになっています。

 個人事業主としてやっていくことにしたけど、実際にお客さんが来るかどうかもわからないし、開業届を出して大丈夫なのだろうかと不安に思う方もいるでしょう。

 開業届は事業を開始してから1ヶ月以内となっていますが、個人事業の場合は飲食店のようなお店をオープンするのでなければ、そもそもいつが開業なのかもよくわからいということもよくあります。

 自分でこの日から開業だと決めた日を開業の日にすればよくて、売上が発生するようになってから開業ということにしてもかまいません。

 融資を受ける場合や許認可の申請に提出した開業届の写しを求められる場合がありますので、そういった場合はどうしても提出が必要ですが、そうでなければ提出を急ぐ必要はありません。

 開業届を出しても実際に事業として成り立たなくてやめたり、いつまでも売上が発生しない場合に開業届を出していることで税金がかかったりするんじゃないかと心配される方がいます。

 収入がない、利益がない場合には税金がかかることはありませんので、その点は安心してください。

 確定申告についても、利益がない場合には開業届を出していても申告の必要はありません。


 開業届を出すかどうかよりも青色申告をするかどうかの方が、むしろ大事です。

 開業1年目に事業が赤字となった場合に青色申告の申請をしておけば年間の所得が赤字になった時に翌年以降にその赤字の金額を繰り越すことができる場合があります。

 会社員が副業として事業をする場合には事業所とならず、基本的には青色申告ができないのですが、そうでない場合は青色申告の申請をすることをおすすめします。


 青色申告についてはこちらに書きました。
 青色申告と白色申告


 個人事業を始めるにあたって従業員を雇う場合には従業員に支払う給料から所得税を引いて税務署に納める必要があるため、源泉所得税関係の届出も必要になります。

 開業届以外にも税法上の諸制度を利用する場合には、次のような届出が必要となります。

※個人事業の開業・廃業等届出書に給与等の支払の状況を記載した場合は、提出は不要です。

 個人事業を始めるにあたって従業員を雇う場合には従業員に支払う給料から所得税を引いて税務署に納める必要があるため、源泉所得税関係の届出も必要になります。

 開業時にどのタイミングでどの制度を使うかで節税や資金繰りに影響する場合がありますので、早い時期に専門の税理士に相談されることをおすすめします。